「今日葉を摘んでも
明日には芽が出る」
旺盛な生命力がその名の由来
生命力にあふれ、薬草と呼ぶにふさわしい豊富な栄養
素を含むことで近年注目されているのが「明日葉(あした
ば)」です。
その名は葉を摘んでも明くる日には新しい葉が出るとい
う旺盛な生育パワーに由来します。実際は翌日に芽が出
るわけではありませんが、1週間もすると芽が出てきま
ずから、その生命力は推して知るべし。貝原益軒が記した
日本最古の本草学書『大和本草』(1709年)や寺島良安の
『和漢三才図会』(1712年)にも登場し、古くから滋養強壮
作用のある健康野菜として親しまれてきました。
明日葉はセリ科アンジェリカ属に分類される多年草
で、温暖多湿な気候を好み、伊豆諸島を中心に自生する
日本固有の植物。澄んだ空気、さんさんと降り注ぐ太陽
と潮風に育まれてたくましく成長するこの野菜には、他
に類を見ない優れた栄養価値があります。明日葉を常食
している島の人に長寿の方が多いのが何よりの証拠です
が、分析の結果、身体に有効なさまざまな成分が多く含
まれていることが判明し、科学的にもその価値が証明さ
れました。
多くの含有成分がからみ合って
相乗効果を生み出す
明日葉には健康維持や老化防止に欠かせない各種ビタミン、ミネラル(微量元素ともいわれ、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど身体の生理機能に欠かせない栄養素)、タンパク質、食物繊維などがバランスよく含まれているのが特徴です。なかでも特に見逃せないのが、他の食品にはあまり含まれていないフラボノイド、ビタミンB12、そして有機ゲルマニウムです。
明日葉を摘むとまず気付くのが、切り口からにじみ出るやや粘り気のある黄色い液汁。この液汁にはフラボノイドという成分が含まれており、明日葉独特のほろ苦い香りと旨味を醸し出しています。フラボノイドは美味しさの秘密というだけではなく、新陳代謝を促して若々しい身体を保つ成分の一つです。
別名赤いビタミンとも呼ばれるビタミンBl2は、血液の赤血球を造る働きがあるので、貧血に有効な成分としてよく知られています。多く含まれる食品はレバーですが、明日葉にも多量に含まれており、同様の効果を発揮することがわかっています。造血作用を期待するには、ビタミンB12を単独ではなく、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、銅などと一緒に摂取する必要がありますが、これらすべての成分が明日葉には含まれていますから、貧血の予防や改善には欠かせない野菜ということができます。
またビタミンBl2には、脳細胞を活性化して集中力や記憶力をよくする働きもあります。脳細胞を活性化するにはビタミンBl2だけではなく、ほかのビタミンB群の成分も必要なのですが、明日葉にはそのほとんどが含まれていますから、ストレスの多い現代人には必須の栄養源といえるでしょう。ちょっとしたことにイライラしたり、記憶力が減退して物忘れが多くなったり、勉強や仕事に集中できなくなったりするのはビタミンBl2が不足
している可能性が大。思い当たる方はぜひとも明日葉料理を常食し、心と体のバランスを保ちたいものです。
血液をきれいにして生活習慣病を防ぐ有機ゲルマニウムが含まれていることも明日葉の大きな特徴です。有機ゲルマニウムは、漢方でも上薬として扱われている天然の霊芝(れいし)や朝鮮人参に含まれる貴重な成分の一つで、血液中の酸素を増やし、病気と闘って治す力(自然治癒力)を増強する働きや悪質なコレステロールを溶かして体外に排出する作用などがあり、医療の分野でも注目されています。
簡単な調理法で
おいしく食べられる生葉
加工食品の利用も賢い方法
明日葉はまさに・栄養の宝庫と呼ぶにふさわしい野菜。
さまざまな栄養素が相乗し合って、健康を保つために必要な働きを生み出します。家族の健康維持のために常食したい明日葉ですが、その調理法はいたってシンプル。
生の葉を茄でておひたしや和えもの、サラダに加えると、独特の上品なほろ苦さが食欲をそそる逸品になります。
苦みが気になるという方は、ゴマの香ばしい風味がプラスされる胡麻和えや中華風の妙め物(肉とも相性がよい)にしたり、天ぷらにするのがおすすめです。
また、手軽に明日葉の有効成分を取れる明日葉茶や、見た目にも緑色がさわやかな明日葉めんを食卓に取り入れるのもよいでしょう。明日葉は子供からお年寄りまで毎日食べたい、理想的な健康野菜なのです。
島しょ振興公社 東京愛らんど市場 vol1より