「ぱれ・らめ〜る」はフランス語で、日本語の意味は「海の
宮殿」です。
美しい貝、珍しい貝を中心に展示しているロマンただよ
う施設です。館内には日本の貝、世界の貝が、1,000種
3,000個展示してあります。
当館は、伊豆大島有数の遊泳場である弘法浜にあり、景
観も素晴らしく、海・三原山が一望出来る場所にありま
す。
ガンゼキバショウ貝

大島町貝類博物館(ぱれ・らめ一る)の特徴
1。貝類標本の展示スペースが広く、標本類がゆったりと展示されている。
2。標本類は、全般的に一級品が展示されている。
1)標本類は直接採集し、生きた貝類から標本が作製されているので、光沢・色彩が自
然のままで鮮やかさがあり、磨いた物や着色した標本はない。
2)生きたかいるいで標本を作製しているので、標本の大部分は蓋がついている。
3。貝は種類によっては、成貝と幼貝とは著しく異なる場合があるので、種類によっては
その成長の対比を展示している。
4。本邦の特徴的な珍貝
1)伊豆諸島で採集されたホロガイ(式根島)、アケボノダカラ(鳥島)、オオツタノハ
ガイ(鳥島)、トミエピスガイ(大島)、カサガイ(小笠原)、チョウセンサザエ(南
鳥島)、等がある。
2)生きた化石と言われているオキナエビスガイ類は世界に29種類あるが、そのう
ち26種類が展示されている。また、数も多い。
5。世界の珍貝と言われる代表的な貝のほとんどが展示されている。
6。小中学生を対象とした貝で、海岸に普通に見られる貝類の展示や、微小貝類が1000
点以上展示してある。
7。北方系(北海道〜ベ一リング海)の深海性の貝類である、エゾバイ科の標本類がほぼ
展示されている。
8。その他
1)高価な貝の代表的なもの
・オキナエビスガイ類3万〜5万円70点
・ホロガイ70万〜80万円2点
・タカラガイ類5万〜100万円80点
2)貝類の化石、切手、民芸品の収集にも努めている。(現在400点)
3)現在陳列してある標本類は約4000種(4万点)ほどであるが、このほか準備中
の標本類は約2300種(約1万5千点)ほど所蔵している。
入館料
600円
東京七島新聞2000/1/1より
大島町貝類博物館便り
年頭雑感
草刈正
皆さま、明けましておめでとうございます。元気のつもりでも、年々気力の低下が目立つようになりました。老化の年齢になると何カ年計画といった長期的な計画や、実施が出来なくなります。一年一年を大事に頑張って、ということになりますが十二年も有終の美を飾るべく頑張りたいと思っております。この一年を振リ返りますと、博物館の運営や標本類の変動、およびその他のこ
となど、追想してみたいと思います。
標本貝類の主な点
(1)十一年における新規の入手標本の代表的なものは、須田明氏の大量寄贈の標本類である。同氏は昭和二十年代の水試勤務時代から交遊があり、専門的な面でいろいろとご教示をたまわっていた。半世紀以上続いた交遊は貝を通しての話題には、その尽きることがない多くのことがあった。須田先生(元水産庁養殖研究所長)は水産庁退官後も水産関係の各団体の顧問的役割の仕事が多く、現在も年間の三分の一〜四分の一ぐらいは海外をとび回っている人で、現役時代に引き続いてその都度寸暇を惜しんで貝殻の収集につとめ、その量たるや膨大な量である。永年の貝友のよしみから筆者の所属する大島の貝類博物館に整理次第寄贈することとなりました。その標本量たるや十一年にはダンボール箱で約二十七個ほどあり、十二年度も引き続いて送付されるとのことである。須田先生の標本は整理が完全に終了してないので何種で総個数何個とは把握していないが、今のところ二千種近いものと思います。須田先生の標本送付目録は各標本について採集場所、採集年月日、採集漁具等が明細に整理され、約百十六ページの記載目録となっている。同好の士とはいってもけたはずれ研究者で、その熱心さはただ
ただ感激する次第です。記事の備考には銀座(ライオン)の料理から、マドリッドのレストランから、ローマのレストランから…等のほか、ニューギニアの日本軍上陸地点の海岸からと、こと細かくユニークな表現で説明してある。須田先生寄贈の標本類は採集地別に番号が付してあるので、かなり重複している標本が多い。データがそろっているので整理は容易であるが、量的に多いので
かなりの日時を要する。さらに各標本類を小箱に収め、展示ケースに、となれば大変な作業量である。大島町の予算財政の都合もあって早急には展示ケースの購入は難しい(約60個必要)ので、当分の間はダンボールで収容ということになります。須田先生はこれからも海外出張があるので、出来るだけ多く集め日本一となった場合は『世界の貝類研究会や同好会などを大島で開
催することにしましょう』という大きなビジョン等の抱負を持ってる人で、大島貝類博物館にとって強力な助っ人である。世界の諸会議に出席している須田先生ならではの発想であるが、現実的な可能性を思うと先々楽しくなります。東京湾のハマグリがいつ
の間にかチョウセンハマグリに変わり、本来のハマグリはまったくみられなくなり、本物のハマグリは五〜六年に一個ぐらいともいわれています。縄文時代の昔から東京湾にはハマグリが多く、重要なたんぱく資源となっており、ほうぼうの貝塚からハマグリの殻が出土しています。養殖的なこともしていたのではないかともいわれています。十一年の春に干葉県市原市の化石類研究所からの依頼で、伊豆諸島のタカラガイに関する文献の要望があって送ったところ、化石類で必要なものがあればということから、東京湾のハマグリの化石を約二百個ほど入手することが出来た。約七千五百年〜八千年前のハマグリとのことでしたが、現在の標本と比較すると殻全体が薄いが、殻長が10・O〜11.5センチと大型の殻が多くみられた。余談になりますが、市原市の近くに草苅村という所があって、ほとんど姓が「草苅」姓とのことで、また、そこには草苅貝塚があり、そこから大量のハマグリの化石が出土するという話もうかがいました。何か不思議な因縁的なものが感じられました。もう一つの化石の話ですが、暮れも間近い十二月半ばにインドネシアで発見された化石の情報が入り、早速入手の手配をお願いし
たところ、十二月十五日に入手することが出来ました。従来の大型化石はアンモナイト系のものがほとんどでしたが、今回の化石はヤツシロガイ科の仲間で、殻長三十一センチ、殻幅約二十七センチ、重量約十五キログラムといった大型で、ほぼ完全標本といった立派なものです。ヤツシロガイ科の仲間で大型の貝はホロガイですが、現在のホロガイ型とは形がいささか異なっておりますので、化石の図鑑で調査しなければ分かりませんが、当館の化石標本の代表となる標本がまた一つそろいました。九州の同好の士から、かの有名なオキナエビスガイが多量に入手出来たので、現在大型の標本ケース(水試から寄贈)に約七十個ほどが山積み標本として展示してあります。色彩の美しさと優美な形は見事なもので、数億年の昔からある貝とは思われない美しさです。貝類のコレクターならだれでも初心者のころ必ず入手願望のある標本であるこの貝は、現在でも高価な貝であり、ルートがなければ入手は難しい貝である。このケースの標本は何百万円かも知れないと思うと思わぬ快感があるものの、見学者は知るや知らずで、漫然とみているが、説明すべきかどうか悩みの種でもあります。(つづく)
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